青森県黒石市へ、りんご農家の村上柳太郎さんを訪ねました。新青森駅から弘前駅に向かう電車の中からも、りんご農園の木にりんごが実っているのが見えました。以前弘前に訪れた時は真冬だったので雪景色でしたが、その時とは違う長閑な眺めでした。黒石市の村上さんのりんご農園では、なんともたわわにりんごが実っていました!想像していたりんごの実り方とは随分違い、まだまだ見たことのない知らないことがたくさんあるのだと、謙虚な気持ちになります。放っておけば樹高は5メートルほどにも育つそうですが、農園では栽培しやすいように低く育てること、葉っぱのかたさからりんごの糖度もわかることなど、撮影の間に教えてもらいました。写真はジョナゴールド。(photograph 山下加代)
※首都圏からの移動のため、ワクチン2回接種のうえPCR検査を受け新型コロナウィルスの陰性を確認し、取材しています
徳島県海部郡美波町へ、漁師の大西和夫さんを訪ねました。84歳の現役で素潜りをする漁師は地元にもいないそうで、この日も海に潜る前に祈られた後、サザエやウニを採られました。船上では、大西さんが若い時分に経験された遠洋漁業の話や、海難事故の話などたくさん聞かせていただき、生きる力を目の当たりにしました。(photograph 深澤慎平)
※首都圏からの移動のためPCR検査を受け新型コロナウィルスの陰性を確認し、取材しています
リュート奏者の永田平八さんを訪ねました。フェルメールの絵画などにも描かれているヨーロッパの古楽器リュートは、バロック音楽以降演奏されなくなり継承が完全に途絶えていたそうです。20世紀になり改めて楽譜などから研究され演奏されるようになりました。「天使の楽器」とも言われるリュートの音色は心が安らぐ美しさで、永田さんのYouTubeチャンネルでも演奏を聴くことができます。
https://www.youtube.com/channel/UC3-IZLFVZfZlq6XptFXZIgw
リュートの真ん中にある美しい幾何学的な細工はロゼッタと呼ばれ、その柄は楽器を作る工房ごとに受け継がれていて、アラビアが起源と言われています。洋梨型で立体感のある楽器ですが、持たせていただくと非常に軽かったです。
永田さんはフランスのストラスブール国立音楽院でリュートを学び、首席で卒業されました。宮崎駿監督の映画「天空の城ラピュタ(英語版)」「もののけ姫」でもリュート演奏を担当されています。(photograph 山下加代)
監修/佐賀一郎 アートディレクション/澤田泰廣 デザイン/長澤昌彦
東京都庭園美術館で2021年1月30日(土)から「20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?」が開催されます。竹尾ポスターコレクションから構成的ポスター130点が並ぶ大規模なポスター展です。多摩美術大学グラフィックデザイン学科が共同研究として1998年よりコレクションの研究に取り組んできました。ポスター展のポスターは“POSTER20C”という展覧会の内容を抽出したワードにより表現しました。
1910~20年代のヨーロッパで生じ、芸術・デザインに革新をもたらした“構成主義”は、特にビジュアルデザインの領域において、図像と文字を幾何学的・抽象的な融和のもとに構成しようとする特徴的な表現様式をもたらしました。エル・リシツキー、ヤン・チヒョルト、マックス・ビル、ヨゼフ・ミューラー゠ブロックマンなど、数々のアーティスト/デザイナーが時代を超えて共有したこの様式は、広くビジュアルデザインの可能性を拡張する試みとして発展を重ね、今日のビジュアルデザインの基盤を形成します。本展は、この潮流のもとに世に送り出され、時代を彩った“構成的ポスター”が、20世紀を通じて織りなした図像と文字の風景を、竹尾ポスターコレクション(多摩美術大学寄託)により辿るものです。展示される個々のポスターが示す鮮やかな創造力、そしてそれらのポスターが総体として示す歴史的な継承と発展のプロセスをお楽しみください。(東京都庭園美術館ウェブサイトより引用しました)
20世紀のポスター[図像と文字の風景]―ビジュアルコミュニケーションは可能か?
2021年1月30日(土)〜4月11日(日)
※2月10日(水)、2月24日(水)、3月10日(水)、3月24日(水)、4月5日(月)は休館
東京都庭園美術館
〒108-0071 東京都港区白金台5-21-9
観覧料 1,100円(一般)他
主催 東京都歴史文化財団 東京都庭園美術館、日本経済新聞社
企画協力:多摩美術大学
特別協力:株式会社竹尾
後援:在日スイス大使館
年間協賛:戸田建設株式会社、ブルームバーグ・エル・ピー